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反射濃度計は、実際のインク膜厚を測定しているわけではありません。印刷表面で反射されて目に届く光の量を捕らえて測定しています。 印刷の表面で大部分の光が吸収されて光の反射が少ない場合は、反射濃度が高くなります。
反射濃度は通常、式1ように対数値で表現されます。
式1:反射濃度 = log10 100/R, R= 反射率%
図1 | |
---|---|
反射率% | 濃度 |
100%= | 0.0D |
10%= | 1.0D |
1%= | 2.0D |
0.1% | 3.0D |
0.01%= | 4.0D |
0.001% | 5.0D |
0.0001% | 6.0D |
このような変換を行なうのは、人の視覚感覚に測定値をほぼ合わせることが主な理由です。
インクの盛り量を増やして印刷面の反射光量を少なくすると反射濃度が上昇し、インクの盛り量を減らして 印刷面の反射光量を多くすると反射濃度が低下します。この関係から、反射濃度値を紙へのインク盛り量のコントロール指標として利用することが可能になります。
濃度計の測定値は、*拡散反射面の濃度をゼロとする絶対濃度(紙の濃度を含んだ測定値)と、印刷する紙の濃度をゼロとする相対濃度(インクの盛りだけの測定値)があります。濃度値を比較する場合は、このような測定条件を必ず確認してください。
濃度差測定は、基準とするターゲット、または任意に設定した基準濃度と比較するターゲットとの反射濃度の差を測定します。 例えば、1.30Dの基準サンプルに対して、比較するサンプルを測定した結果が1.35Dであった場 合、基準サンプルとの差、+0.05Dが表示されます。
ターゲットの網点%を測定します。網点%とは、測定した網点階調のエリアにおいて、紙にインクが盛られている面積の割合を表します。例えば、網点%が30%とは、測定したパッチは紙の上に30%の面積割合でインクがのっていることを表します。
ドットゲインとは、版(フィルム)上の網点が、 最終的にインクのドットとして紙の上に印刷された時、版(フィルム)上のドットサイズと比較して拡大した度合いのことです。 ドットゲインの変化は、絵柄のコントラストに大きく影響し、精細部の絵柄品質を極端に損なうことがあります。ドットゲインは、印刷にとって決して悪いことではありませんが、ドットゲイン量が印刷条件に適する値に一貫してコントロールされていることが非常に重要となります。
ベタ濃度とシャドウ部の濃度の値を用いて、 ベタ濃度に対するシャドウ部の濃度比率であるコントラスト量を測 定します。 プリントコントラストは、ベタ部の濃度に対するシャドウ部の濃度比率を示します。高いプリントコントラストはイメージに"鮮明”または”生き生き"とした感じを与えます。
プリントコントラストが値を示すベタ濃度がそのインキの理想的な印刷濃度です。
印刷条件によるドットゲイン特性を記録して評価することが可能です。 ドットゲイン特性は、10%刻みの網点ス テップを測定して求めます。 測定したデータは、濃度特性、およびドットゲイン特性のグラフとして表示するこ とができます。また、測定したデータをファイルとして保存でき、その後の参考として読み出すことができます。
プレート上の網点%を測定する機能です。濃度から網点%値を計算します。
オートファンクションは、濃度測定、 ドットゲイン測定、インクトラップ測定を自動的に切り替えて測定するこ とができます。この測定モードは、カラーバーのベタ濃度、 ドットゲイン及びインクトラップパッチを同時に管 理する場合に非常に便利です。
インクトラップ測定は、 印刷されたインキの膜の上に他のインキがどの程度のるかを評価することが目的です。 パーセントで表される測定値は、紙の上にのるインキの膜厚に対してインキの上にのる 2色目以降のインキの膜厚を示します。
理想的にはインキが最初の紙の上に 盛られるのと同じ程度に重ね刷りの際にも盛られることが望ましいです。
理想的なプロセスインキに対するインキの色相のズレを示します。 オフセット印刷用のプロセスインキといって も、メーカーが異なれば色が異なり、同じメーカーのインキでも品種や製造ロットによって若干色が異なることがあります。 同一の印刷物の印刷工程の間にインキのヒューエラーが変化すると、色再現の問題を引き起こすことになります。 ヒューエラーの測定値は%で表し、印刷に使用するインキは常に一定の値であることを確認することが重要です。
測定したインキの純度または彩度に関連する値で、インキの中のグレー成分の割合を示します。 インキの特性に よって決まりますので、もし印刷中に増加するような現象が見られる場合は、インキ同士が混ざり合っている可能性が考えられます。
サチュレーション(彩度)は、色の純度を示します。インキ中のグレー成分が多くなると、 彩度が下がります。 測定したインキの濃度成分と最小濃度成分の差を示します。 サチュレーション機能で印刷中モニタリングす ることで、品質の安定化を図ることが可能です。
色味は、レッド・グリーン・ブルーの反射率の内、最も高いものと低いものとの差を示します。 通常の印刷に用いる紙の色味を評価するために測定します。
印刷に用いる紙の明るさを評価するために測定します。 ブルーの反射率と同じ値です。